〈組みつき〉のルールについての解説、及び裁定の考察
クトゥルフ神話TRPGの戦闘用の技能の中に〈組みつき〉という技能がありますが、これルールブックを読んでも分かりづらくないですか? 僕はすごく分かりづらいです!
KPによっても裁定や、やれることが違ったりもするため、個人的にはあまり自分のPCには取らせたくない技能だったりします。
その組みつきについての個人的な解説、及びどのように裁定していくのがよいかについての個人的な考察を書いていきます。
(個人的な考察となりますので、間違い等もあると思います。その場合はご指摘ください!)
※この記事はクトゥルフ神話TRPG第6版用のものとなります。7版には組みつきという技能は無くなっておりますのでご注意ください。
ルールブックにおける〈組みつき〉
クトゥルフ神話のルールブックではP.77~P.78にその記載があります。その内容についても少しわかりにくいかと思いますので、さっくりとかみ砕いて記載していきます。
〈組みつき〉をされた場合、〈組みつき〉あるいは他の攻撃によって受け流しをされる場合がある。〈組みつき〉が成功した場合、対象をつかまえたことになり、その後の行動にオプションがある。
- STR対抗で勝利することで、相手を押さえ込んで動けない状態にする
- 対象を倒す。このオプションは自動的に成功する
- 最初のラウンドかあとのラウンドに対象をノックアウトする。
- 対象の武器を取り上げる。2ラウンド必要。
- 対象を肉体的に傷つける。その場合、相手はすでに押さえられている状態でなければならない。
- 対象の首を絞める。
正確な記述や各用語の意味については各々のルールブックを確認していただければと思います。ルールブックの通りですと、組みつきを行った場合、上記6通りのオプションからいずれかを選べる、ということになります。
組みつきの流れ
では、これを踏まえた上で組みつきをする時の流れは、
組みつき成功(相手を捕まえた状態)→いずれかのオプションを選択→選択したオプションについての判定→次のPCの手番
となります。しかし、このオプション選択の流れまでがやや複雑で、それぞれのオプションについても如何様にも取れるような形でルールブックには記載されています。
(例えば2個目の「倒す」という行動一つ考えても、倒したからどうなるのか、ということは何も書いていません。地面に倒す、ということであればもしかしたらダメージが入るのではないか? 行動しづらくなるから相手の行動にペナルティがつくのではないか? ここらへんのファジーさがクトゥルフ神話TRPGの売りでもありますが、組みつきがややこしい技能となってしまっているのかと思います)
では、ここからはそれぞれの状態やオプションをどう裁定していくのかについて考えていきます。
対象をつかまえた状態
組みつきに成功した時の『つかまえた状態』、であれば対象は組みつかれ拘束されている状態と思われます。
(これも状況によって色んな状態が推測できます。相手の両腕を後ろからホールドした状態、相手の手首を掴んだ状態、等)
この状態になった場合、対象は何らかの手段でふりほどかない限り行動できないと考えて良いでしょう(頭突き等の例外あり)。その行動自体は、対象になっているキャラクターの手番に行うべきでしょう。
そのふりほどく手段ですが、オプション1に書いてあるSTR対抗にしても良いでしょうし、P.72に書かれているオプションルールとして〈噛みつき〉という行動でPOW対抗にしても良いかと思います。
つまり、『つかまえられた状態』になっているPCは以下の行動を取ることが出来ます。
- STR対抗で振り払う
- 〈噛みつき〉によってPOW対抗で振り払う
- 頭突きを行い、ダメージを与える
逆に『つかまえた状態』になっている自身は、腕などを使用できない状態かと思います。そのため、他の誰かから攻撃された時、回避や受け流しをする場合は『つかまえた状態』を解除しなければ使えないのではないでしょうか。
押さえ込んで動けない状態
これはルルブに書いてある通りですね。相手が1人の状態でこの状態になった時は戦闘に勝利したと考え、終わらせてもいいかと思います。
対象を倒す
転ばせる、転倒させる、といった言葉に置き換えた方がいいでしょう。このオプションを選ぶと自動成功します。しかし、ただ転ばせる、というだけだと特にメリットが感じられません。
例えば転倒した状態では身動きが自由に取れず、次の組みつきからのふりほどく判定に対してマイナスのペナルティを与える(-10%~-20%くらい?)というような裁定をしてもよいかと思います。
もしくはPLさんのプレイング次第……でしょうけれど、例えば倒す場所を水の中、崖(突き落とすようなイメージ)、尖った石や硬い器具のある場所、というようにすればその時々に応じてダメージやなんらかの効果を与えて上げた方が良いでしょう。
対象をノックアウトする
書いてある中で一番強いオプションです笑
ノックアウトのルールについてもルールブックP.67 戦闘のスポットルールに載っています。
このオプションをそのまま受け取るならば、組みつきが成功しただけで相手を数分間意識不明にさせることができます。他のオプションを選ぶ理由がないほどの強すぎるオプションです。
この解釈が間違っていたとして、他の考えられる解釈としては、
『ノックアウトする』というのは、『ノックアウト宣言をすることで<組みつき>技能を使ってノックアウト攻撃できる』と考えることもできるかもしれません。
しかし、組みつきはダメージを与えない技能ですので、ダメージ0と相手の残耐久値との対抗判定となり、成功率は0%です。こちらの解釈は選ぶ意味がありません。
このオプションを選択された時、KPはただちにノックアウトさせるか、もしくはオプション5の『対象を肉体的に傷つける』を選択された時と同様のダメージが入ると考え、そのダメージの値を使用してノックアウト宣言を処理しましょう。
対象の武器を取り上げる。
書いてある通りです。
対象を肉体的に傷つける
このオプションを選ぶためにはオプション1の『対象が押さえ込んでいる状態』でないといけません。その状態で再び組みつきに成功する必要があります。成功すれば所定のダメージを相手に与えることができます。
対象の首を絞める
溺れ、窒息ルール(ルルブP.62)に従って処理を行ってください。
……とまあ、このような形で書いて参りましたが、やっぱりわかりにくいですかね?
あくまで私の場合の裁定ですので、『私はこうしている』というのがあれば教えてください!
ではでは~